【ライフジャケットが生死の分かれ目】



 サラリーマンから漁師に転職して2年目の出来事です。

 昼間、釣った魚を漁港に卸しに行く途中、変な行動をしているレジャーボート(小型クルーザー)を発見しました。


 この船はアンカーを下ろし、船の後ろで男性がボートフックで大きなゴミを引っ掛けているのです。

 この人は、このゴミを船の上に引き上げる訳でもなく引っ掛けたままの姿勢のまま動きません。

 スクリューにゴミでも引っ掛けたのかと思い、助けてあげようと近付いたら人間の死体だと分かりました。


 船の上の男の人は、涙を流し顔は真っ青!

 この方の友人が海に落ちて水死した事がすぐ理解できるような顔をしていました。

 この時のドザエモンの顔は紫色をしていました。


 私が「警察に連絡したのか?」と尋ねると、首を縦に振りましたので、余計な事に係わりたくなかった私はその場を去りました。


 この亡くなった方はライフジャケットを着ていませんでした。

 私の想像ですが、船から落ち、Uターンして助けに行く間に溺れたのだと思います。

 また、このクルーザーには水面ギリギリに良くあるステップ(スノコ)が無かったので、溺れた友人を船の上に引き上げる事もできなかったようです。

 この為、人工呼吸などで早い段階の対処ができなかったのだろうと思いました。


 実際、ボート自体が小さいと思い通りの小回りができる関係で敏速な救助ができますが、船が大きくなると微妙な位置への方向転換が上手くできず苦労します。

 イメージとしては、小型のボートはオートバイ。
 大型のボートは車と考えると理解しやすいのではないでしょうか。


 今回目撃したボートは小型のクルーザータイプです。

 この様な船の場合、年中船に乗っていないと、Uターンしてスグに救出するのは難しいと思います。

 また、風の影響や潮の流れでピンポイントへ船を付ける事が難しい条件も多々あります。

 この私でも、特に風が強い時などは、船首が左右に振れますので思い通りに操船できない事が良くあります。



★教訓1:泳ぎに自信の無い方は必ずライフジャケットを着用しましょう。
 (現在は、法律が変わり、ライフジャケットを着用しないと船に乗ってはいけない条例となりました)
 TVや雑誌に乗っている記事を読むと泳げない方が落水した際、その不安感から大暴れし水を飲み、呼吸困難からあっという間に溺れるそうです。


★教訓2:寒い時期は泳げる方もライフジャケットを着用しましょう。
 泳げる方が落水した場合、浮いていられる時間はその時の水温で違ってくるそうです。
 低水温だと体力の消耗時間が早くなり、その分溺れるまでの時間が早まるそうです。
 なので、危険な場所での釣りの場合は、己の水泳技術を過信せず、モシモを考えライフジャケットの着用を考えた方が良いです。


★教訓3:落水時、洋服が水に濡れると重たくて思い通りの泳ぎができない。

 この件はTVの実験で見ていたので苦しむだろうとの想像はしていましたが、実際自分で体験してみると、全く身体の自由が利かない事がわかりました。

 そう、私は冬の海に船の上からドボンした事が4回ぐらいあるんです。(~_~;)
 ちなみに、夏場は数え切れないほどあります。(^o^)

 で、力いっぱい両手で平泳ぎしても洋服が重く手が動いてくれません。
 なので、浮いているだけなら問題ないのですが、3mぐらいの距離を泳ぐだけでも超大変です。

 体力に自信がある方はご自分でお確かめください。(^o^)
 ですので、もしも落水した際、速攻で助けてもらえないような条件の場所ではライフジャケットの着用が大事です。


★余談:漁師から教わった事。
 「もしガボンガボンのシケに遭遇した場合は、最悪のケースを考え船が転覆する恐れがあると考え行動しろ。」

 「船が転覆したと思われる場合は後日捜索隊が出る。」
 「この際、船は転覆しても浮いているので発見されやすいが、人間を探すのに大変苦労する。」

 「他人に迷惑をかけない為、シケの時はロープで身体と船を結んでおけ。」
 「そうすれば発見されやすいし、死体の回収に手間がかからない。」
 「この時、ライフジャケットを着ていれば命が助かる可能性も高くなると言われている。」

 と教わり、過去に3,4回シケの時に実践した記憶があります。
 また、危険と判断した時は、風が収まるまで風裏で何時間も待機していたこともあります。


★体験談:釣り仲間編 その1
 冬場、伊豆下田のホテルでアルバイトをしていた時、釣り仲間と近くの地磯へメジナを釣りに行きました。

 釣りの最中、なんと釣り仲間が足を滑らせ海に落ちてしまったのです。

 泳ぎに自身のある友人でしたので、この時ライフジャケットは着ていませんでしたが、大丈夫だろうと心配せずに笑っていました。


 笑っていたのには理由があります。
 落ちたた場所は、陸側に向かって小さな湾のような形をした小さなプールのような場所だったのです。

 大きさは20畳ぐらいあり、足場から水面までは1mくらいと低く、岩や溶岩による危険な凹凸が少ない場所だったので大怪我はしないと思ったのです。

 それに、その部分は水深1.5mぐらいと浅く、多少海からのウネリで海水が出たり入ったりしていますが溺れるような状態の場所ではなかったので、安心しながら友人の方へ向かって歩いて行きました。


 ところが、友人の姿を見ると、まるで溺れている様にしか見えません。
 ヤバイと思い 急いで助けに行こうと思った瞬間に自力で這い上がることができました。

 磯に上がった友人は、
 「良くこの場所で釣りをするから落ちた場所の水深がどれぐらいかは知っている。」
 「しかし、落水がはじめての体験だったので慌ててしまった。」と話しています。


 幸運だった事に、手の平に擦り傷が1ヶ所あるだけで他には怪我は無し。
 しかし、4万円の竿を、わざわざ水深の深い、このプール外側に投げ捨てる羽目になってしま回収不能となりました。

 つい慌てて竿を投げてしまったそうですが、竿を持ったままドボンしていれば4万円を捨てずに済んだのにと、己のアホサ加減に肩を落としていました。


 皆さん、安全の為のライフジャケット使っていますか?
 ライフジャケットは、人命を守る以外に、その場で慌てず冷静に対処できる余裕も与えてくれると思っています。



★体験談:釣り仲間編 その2
東京湾のとある堤防で釣り仲間が水死してしまいました。

風が強くウネリがあり、時々堤防の上を波が荒うで状況で、黒鯛を釣るために足場の低い場所て竿を出していました。

近くで目撃していた釣り仲間の話では、ふと横を見ると、少し遠目で竿を出していた釣り仲間がいない事に気づきビックリ!

堤防の裏側を見ると釣り仲間が水面でもがきながら浮いている姿を発見しました!


落水した釣り仲間は、風と波の影響で、どんどん堤防から離れてゆく状況。
よって救出は不可能。


その姿を発見した釣り仲間は、携帯電話を少し離れている場所に置いてあるバックに入れてあったので、その場所まで走りる。

途中で流される釣り仲間をチラ見すると、既にかなりの距離を流されている。
「こりゃヤバイ!」

バックから取り出した携帯で渡船屋に救出を依頼し、海上保安庁と合同で探す。


流された釣り仲間は運良く発見されましたが、水死してしまいました。

この時、ライフジャケットは付けていない状態でした。

「もし付けていれば・・・」と、どうしても考えてしまいます。


当時ライフジャケットの着用は、渡船屋は着用をお願いしているが、実際には自己判断とゆうような時代でした。

今では、ボンベを使用した折りたたみ式のライフジャケットが支流となっていますが、当時は発泡スチロールの入った物が支流の頃でしたので・・・。


そうそう、折りたたみ式のライフジャケットをご使用の皆さま、1年に1回は膨らませて穴が開いていないかチェックした方が良いですよ!

接続されているボンベを使わずとも、息を吹き込むホースが出ている部分から空気を入れると膨らみますのでチェックが可能です。

尚、ボンベのチェックはできませんが、ボンベは鉄製ですので雨&海水がが付着するとサビが発生します。

私は、サビ対策のために、ボンベの表面に塗料を塗ってサビを防いでいます。
皆さんも、モシモを考え、この機会にチェックしておきましょう。

 END