私が行う活きジメの方法は、超簡単で血が良く抜けます。
 お客さんから時々質問を受けるのでHPで説明することにしました。

 この方法は当初師匠から教わったのですが、魚を卸している漁港でも同じ方法で行っています。

 ちなみに、漁港では2通りのシメ方を行っており、今回皆さんに説明する方法と、一般的に良く見かける頭と尾の部分を出刃包丁で切る方法です。


 その他にも、目の近くをナイフで刺して心臓を止める方法や、中骨部分に針金を入れて穴を空ける方法など、魚種によっても様々あるようです。

 『You Tube』で検索すると色々UPされていますので、お気に入りの方法を探すのも良いと思います。


 皆さんに説明する方法は、釣り場で超簡単にできる方法であり、血が良く抜けます。
 このシメ方の特徴は、魚の血管を切り(壊し)、心臓が動いたままの状態で海水の中を泳がすことにより、自然に身体じゅうの血が抜けてしまう不思議な方法です。

 ご注意:一般的な魚はこの方法で上手く血が抜けるのですが、カレイ・ヒラメ・マゴチは上手く血が抜けません。


 【活きジメ方法】
 
①血管を切る場所

 写真の丸印の場所(中骨のお腹側)に血管が通っています。
 この部分を切れば血が抜けるのですが、ナイフで切ると完全に抜けないことがあるので、ペンチを差込み、血管を大きく破壊するのが良い方法です。

 血管は完全に破壊しないと、人間の血液と同じように、血小板が血を止める関係で、いつまで経っても生きている魚や、全部の血が抜けきらずに死んでしまうことがありますのでご注意ください。

 この場合、3枚に卸した段階で身の部分から血が浮いてきますので、シメ方が不十分であった事がわかると思います。

②血抜き方法

 まずは、魚が動かないように頭をタオルで押さえ、尾ビレ付近を足で押さえます。

 尾ビレは押さえなくても良いのですが、魚が大きくなるとシメる瞬間に尾ビレをバタバタさせ暴れるので、危険防止の為に足で押さえるのがベストです。

 足で押さえないと、魚が暴れた瞬間に、ヒレ部分にある鋭利な骨で腕や足を刺されますのでご注意を。(体験済み(^o^)




③ペンチを差し込む位置

 魚のエラを親指で開きペンチを差し込みます。
 ペンチは先の曲がった物が使いやすいです。

 まっすぐな物だと、血管を破壊しそこなうことがありますので、慣れるまでは使わないほうが良いです。




④血管を破壊する

 ペンチを中骨に当て(押し付け)、下から上方向(中骨の裏側から表側方向)へ持ち上げます。

    

 この時、ペンチの先には、中骨をこする手ごたえをガガっ感じます。
 この動作を3回繰り返せば血管の破壊が完了します。

 ペンチは下図のように中骨の下側に入れます。
 この状態で、中骨をこすりながらペンチを上方向へ持ち上げます。




 この動作を3回繰り返せば完了です。
 今までの経験から3回繰り返さないと確実に破壊されないことがありますので、通常は3,4回行います。

 ちなみに、師匠はナイフで行います。
 この時、血管をスパッと切るのではなく、血管の部分をナイフの先でグリグリと左右に4,5回寝かせ血管を破壊します。



⑤海水の中に魚を入れる

 海水の中に15分程度入れておけば完了です。

 実際には10分程度で抜けるのですが、魚の種類や大きさの関係から、短時間では完全に抜けない場合があるので15~20分漬けておけば完璧です。

 釣り船に乗った時は、バケツに水を汲み魚を入れて置きましょう。
 堤防の場合は、迎えの船が来る時間を考え、ストリンガーに付けたままの状態で海水の中に漬けておけばOKです。




【ご注意】
 堤防や磯での釣りの場合、釣り場に魚の血を流すと突然魚が釣れなくなりますので注意が必要です。

 その要因はわかりませんが、仲間に危険が生じたと警戒するのかも?
 なので、堤防や磯での場合は、潮裏の釣れない場所で行うか、帰りの船が来る寸前まで生かしておくのが良いです。

 この件では、過去に何度も痛い目にあいました。

 初めての経験は、磯でメジナを釣っていた時です。
 この日釣れたメジナのサイズは、小さいサイズがメインで、時々少し大き目のサイズが混じる程度でした。
 おみあげ様に、大き目のサイズを磯にある海水の溜まった小さなプールで血抜きをしていました。

 このプールは波打ち際の少し上にある場所なので、魚の血で汚しても満潮になれば綺麗になると思っていました。

 時が過ぎ、徐々に潮が上がってきた関係で、15~30分間隔で打ち寄せる少し大き目の波がこのプールまで届きそうになります。

 気持ち的には、「海水でプール内が綺麗になるから丁度イイヤ!」としか思っていませんでした。
 その時、大きな波のウネリがザブ~ン。

 予定通り、プールの海水が波のお陰で綺麗になりました。
 ラッキー! と心の中では大喜び。 

 その瞬間、なんと、長時間アタリが続いていたメジナが突然釣れなくなってしまったのです。
 アレレ? 

 そんでもって、サラシの間にチラホラと見えていたメジナも姿を消しました。
 アレレ?

 釣れる条件である潮の流れは、釣れていた時と同じ横からトロトロと流れ続けているので、釣れなくなった要因は血を流したからだと直感しました。
 で、その後、約2時間はエサ取りである小さな外道と戯れていただけとなり、涙涙で試合終了となりました。


 突然釣れなくなった要因がメジナの血の関係なのかを実証する為、別な日に小さいメジナがバンバン釣れている場所で試ました。

 結果は食いがわるくなりましたが、全く釣れなくなる事はありませんでした。
  でも、食いが悪くなるのは確かなので、その後、釣っている最中の活きジメは極力行わないように心がけました。


 漁師になってからはシーバス狙いの時に何度か痛い目にあっています。
 バカバカと調子良く釣れている最中、チミドロになった海水を海にジャバ~。

 次の瞬間、「アレレ? 釣れなくなっちゃった!」となります。
 なので、何度か痛い目にあってからは、釣れているポイントからわざわざ船を沖へ移動してからチミドロの海水を捨てています。

 福の神丸に乗船した方は、「なんでチミドロの海水をスグに捨てないんだろう?」と思っているはず。
 その理由、わかってもらえましたか?(^o^)

 以上の理由により、釣り場で血抜きをする際は、釣りを続けている方とケンカにならなぬよう重々気をつけましょう。








【参考1:スズキのシメ方・市場編】

 市場でのスズキのシメ方は、今回説明した方法と、良く見かける頭と尾の部分を出刃包丁で切る方法とがあります。

 シメた魚は氷と一緒に発泡スチロールに入れるのですが、魚のシメ方により、その方法が異なります。
 この方法は、釣り場で釣った魚をクーラーに入れる時にも同じことが言えます。


 今回の説明した血管を切断する方法の場合は、氷水の中に入れる一般的な方法でOKです。
 しかし、頭と尾を切った魚の場合は、魚の身に水分が入る事を防ぐ為、ハッポースチロールに穴があいており、水が抜けるようにできています。

 水が抜ける構造の場合、氷が魚にじかに当たると魚が焼けるので、魚を特殊なビニールで包み氷を乗せています。
 釣り船などに乗船し、フグやアナゴのように船宿で3枚に卸してくれる場合は、氷水の中に入れないように注意しましょう。


 実際、私たちが小売店で魚を購入する場合、どちらのシメ方の魚を選ぶかは購入者しだいです。
 今回の方法でシメた魚は、パット見ても血抜きがしてあるかわかりません。

 目聞き(めきき)のできる方であれば、エラの部分を少し開けば判断は可能ですが、一般の方では無理だと思います。
 なので、頭と尾の部分に切れ目を入れてある方法の場合、購入者が活きジメの判断がしやすい関係で喜ばれるらしいです。

 しかし、腕前の良い料理人の場合は、魚の身に水分が入るのを嫌がるそうで、身が切れている魚を選ぶ時には特別注意するそうです。


 この話は、有名な調理人から直接聞いた話です。
 冬場収入が少なく苦労していた時期、冬場のみホテルでアルバイトをしていました。
 場所は伊豆下田で、休みの日にはメジナ釣りと温泉に入ることを目的にしていました。(^o^)

 ちなみに、夜は社員割引で飲み放題のカラオケバー(¥2千円)でお姉さん達と騒ぐ日々。
 また、毎日2回温泉に入り、目の前に広がる綺麗な海で愛するメジナが口を空けて待っている状態だったので、日々極楽浄土を味わっていました。(^o^)

 この時の板前(板長)×2人は業界の有名人でした。
 調理師協会には、腕前の良い方を選ぶ為の”推薦人順位表”なるものがあるそうで、これを見てきた若社長の話では当ホテルの板長は、10位以内の方と20位以内の方らしい。

 今回の活きジメ方法や魚に興味のある私は、板長のご機嫌が良いときに色々と聞きまくりました。
 一人の板長はマージャン仲間だったので、魚のおろし方からマダコを柔らかくする方法まで色々と聞きまくりました。
 ちなみに、この板長は現在自分のお店を持ち営業しています。

 で、今回の議題である活きジメに関する答えは2人とも一緒で、魚の身に水分が入ることを極力嫌うとの事です。
 でも、最近は水分を吸い取るキッチンペーパーがあるので、これに包んでラップし、チルド冷蔵庫に保存すれば水分が程よく取れるので、昔のように気を使わなくなったとの事です。

 このキッチンペーパーは、以前TVのコマーシャルでやっていた『リードって便利だね!』ってやつです。
 ちなみに、スーパーで売っている冷凍のマグロの刺身も購入したままではベチャベチャですが、このペーパーに包み、ラップし、チルドの冷蔵庫に入れておくと美味しくなりますよ! 
 
 余計な説明が長くなりましたが、今回のシメ方の特徴は魚の身に水分が入らないことが特徴です。
 なので、保存する時は氷水でOK! 



【参考2:血抜きをした後でも気を抜くな! 黒鯛編】

 この良くわからない題名は、私の苦い経験を皆さんにご披露する為の文句です。
 私は恥ずかしい事に、クロダイに2回指をかまれたことがあります。(^o^)

 それも、活きジメしてから20分以上経過したクロダイに指を噛まれ、1回は軽い切り傷で済みましたが、もう1回は肉が裂けるほど強く噛まれました。(^o^)

 なので、今回の方法で活きジメしたからといって安心はせず、完全に死なずに心臓が動いている場合もありますので、魚が死後硬直するまでは油断は禁物ですよ!

   このアニメはみやちゃん作品 まさにこの通りだった。(^o^)


 エッ? なんでクロダイの口に指を入れたか?
 ハッハッハァ、バケツの中からスズキを発砲スチロールに入れる時、口に指を入れて持ちます。

 口以外の場所を触ると手を怪我する危険性が高いので、口に親指を入れて持つのが良い方法なのです。

 クロダイを発砲スチロールに入れる時、ついウッカリ口に指を入れてしまったのです。
 この時、ガブリと噛まれました。(^_^;)
 もちろん、この2回の苦い経験後、指は絶対に入れませんがね!


 ちなみに、スズキでは良く手を切ります。
 手を切る時は、活きジメした魚を発砲スチロールに入れる時が殆んどです。

 釣った魚のハリを外す時や、活きジメする時は注意しているので滅多にケガをしませんが、発砲スチロールに入れる時は”死んでいるだろう”との安心感から油断しています。

 この時、死んだはずの魚が突然暴れ出し、エラの部分で手を切ったり、ヒレの骨で手をブスっと刺れたりします。
 なので、血抜きをした後でも気を抜かないようにしましょう!



【参考3:お勧めペンチ】

 スノーピーク商品の宣伝を一言。

 下写真のペンチ(フックリリースプライヤー AE-093GW \2,310)が使いやすいです。(今販売しているかは不明)
 本来、このペンチは魚に飲まれたハリを外す為に開発されたもので、釣りで大活躍しています。

 活きジメでも使いやすい理由は、写真のように口に入れる部分の長さがあり、先端が使いやすいように曲がっているからです。
 また、材質がステンレススチールなのでサビによる不具合が無いのが良いです。

    

 ちなみに、ハリ外し用として使う場合、中間部分から先端付近のはさむ部分までに隙間が空いている関係で、ハリス部分を誤って挟んでしまうトラブルを防止する構造になっています。

 一般のペンチの場合、口の奥にあるハリをつかむ際、ハリス部分を同時に挟んでしまうトラブルが良くあります。
 この為、ハリスにキズが入り、ハリス交換をするはめになります。
 このペンチを使えば、そのイライラが解消されますよ!

 尚、先端にかけての隙間部分は、角々に鋭角なバリが無く、ツルンとした仕上げになっているので、ハリスがこの部分にスレてもキズを付けることの無い構造になっています。 
 これこそ、釣り師の為の釣り道具って感じですね!


 『商品のキャッチフレーズ』
 フックリリースプライヤー:先端ベンドタイプのロングノーズ針外しプライヤーです。
 ロングノーズにスキ間を設けることで、ハリスをはさんでフックまでたどり、隙間から先端を確認しながら針外し作業を行なうことができます。
 ロングノーズの根元部分にガン玉をはさむことにより、ガン玉つぶしなどの仕掛け作業が簡単に行なうことができます。
 また、ハンドル部分は夜間でも見やすい蓄光ハンドルを採用しています。